akimichi design nikki

洗面所

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こうして光の入る、スッキリとした洗面所は気持ちがいいです。

ただこの洗面所、実は壁と壁との幅は1.3Mほどしかないので寸法上は狭いんです。
そこで、浴室の扉を換気もかねて開け放つことで、
目線高さに設けた浴室窓から庭へと視線が抜けるようにしていたり、
横長のハイサイドの窓からは、借景の森が見えることでそこにある空間よりも広く感じる仕掛けを施してあります。
また洗濯機や棚板もわずかに壁をへこませて納めることで、少しでも有効寸法を生み出すような
小さな工夫を積み重ねてあります。

設計者にとって現実の寸法から、空間の広がりをどれだけ作りだせるのか。
だまし絵ではないですが、人がその空間をどう感じるかを想像して、
現実の寸法からどれだけ飛躍することができるのか、挑戦心をかきたてられます。



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# by slowlide850 | 2018-07-05 16:19 | architecture | Comments(0)

灯台の白とモダニズムの白

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ぼーっとするのに海ほどいいものはないでしょう。
たまに海にくると、ひたすらにぼーっと地平線を見ながら風に吹かれてしまう。
そして私にとって、灯台といえば幼いころによく来た犬吠埼。

灯台の「白」は海と空の青に映える。もともと風景に溶け込まずに目立つように「白」なのだと
聞いたことがあります。それ以来、建築でいうモダニズムの「白」もいろいろと言われるけれど、
本当は目立つようにという建築家の自意識の色ではないかと思ってしまいます。
そんなことを意識してしまい、今まで外壁を白く塗ったことがないですが、
それはそれで誰にも伝わらない勝手な自意識過剰だとは思っています(笑)

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# by slowlide850 | 2018-06-22 21:54 | architecture | Comments(0)

伊能忠敬

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先月ですが千葉県の佐原市へ行ってきました。
以前から水郷の街として栄えた古い町並みの残るこの場所に行って見たかったのですが、
来訪の一番の目的は、伊能忠敬旧宅と記念館を訪れることでした。

伊能忠敬の娘に琴さんという方がいたのですが、この方が私の高祖母にあたる方で、
忠敬さんから私は6代目の子孫ということになります。
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若い頃は自分のご先祖様にあまり興味なんてありませんでしたが、
年を重ねると不思議なもので、そうした人がいて自分がいるという当たり前の感謝と、
自分が何者かということを考える上でも大切なことだと思うようになりました。
今まで後回しにしていた感のあった佐原に、この日ようやくと訪れることができました。


この辺りは「うなぎ」が名産なのでうなぎを食べてから、
のんびりと先祖のいた町を散策しながら旧宅・記念館を見て廻りました。
測量と建築。少しだけ先祖と自分を重ねる普段にはない時間を過ごしてみると、
なぜかとても胸がスッとして気持ちがいい。

「住宅」という、人や家族の「居場所」を作るというのが私の仕事なわけですが、
ご先祖を考えるというのは、歴史文脈から自らの「居場所」を確認するような作業です。
日常とは違う歴史という時間に身を置くとなんだかあったかい気持ちになれることに
気づかされるいい小旅行でした。




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# by slowlide850 | 2018-06-20 19:28 | life | Comments(0)

ブルーノ・マットソン

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にびいろの舎の一年点検に伺いました。
リビングにブルーノ・マットソンのイージーチェアが置いてありました。
日本人の体形にあわせて、小ぶりにデザインされていて座り心地がよく、私も好きな椅子です。
リビングのスケールにも、この椅子がよく合っていて素敵です。
ダイニングテーブルの上にあるトップライトで、空間の光もほどよく入っていて落ち着きます。

こうして、たまに伺って生活の雰囲気や暮らしやすさなどをお聞きするのはとても楽しいです。
もちろん、その話のすべては経験となってこれからの設計に生かしてゆきます。

庭の木々もこの一年で成長して根を張ってきていて、家自体がこの土地に根付き始めたような
感覚があって嬉しくなります。












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# by slowlide850 | 2018-06-19 18:40 | architecture | Comments(0)

図渡し

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設計事務所から工務店さんへの見積もり発注・依頼を「図渡し」といいます。
事務的な「見積もり発注」という響きよりもこの「図渡し」の方が私にはしっくりきます。

先日『二人舎』の図渡しをしました。
依頼先は独立以来のお付き合いである遠山工務店さんです。
もう何度も見積もり頂いていますが、予算内に収まるか否かは毎回ドキドキするものです。
これまでの経験値や同規模の過去の案件を下敷きに設計内容・予算配分を考えるわけですが、
まったく同じという計画は絶対にありえませんから、見積もり結果がでるまではどこか落ち着かない日々が続きます。

さて、この二人舎の面白い点は、将来的に外観の改修を考えているので、
今回の工事では外観は変わらずに中身だけが変わるということです。

きっと、工事がはじまったら近所の人は不思議なはずです。
築40年の経年が見て取れる外観でありながら、
『ずいぶんと工事しているけど外観は変わらないし、いったい何をしているのだろう?』と。

工事が終わっても、そこにある家は外観は何も変わっていない。。。
近所の方々をちょっと煙に巻くような、小さないたずら心が芽生えてきそうです。






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# by slowlide850 | 2018-06-15 21:58 | architecture | Comments(0)

二人舎

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昨年より設計を進めてきた築40年の住宅改装計画です。
「二人舎」(ふたりしゃ)といいます。
名前の通り、ご夫婦「二人」のための家です。

築40年の木造なので構造を補強しつつ、内部は既存プランを生かしながらも全面的に改装します。
ただ外壁などはそのままですので、ちょっと内外のギャップのある計画になるとおもいますが、
却ってそこが面白い計画になりそうです。

年内の竣工を目指していきます。


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# by slowlide850 | 2018-05-15 12:21 | architecture | Comments(0)

事務所風景

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気持ちのいい季節です。
窓を開けると裏の林の風が吹き込みます。
こういう日は、おのずと仕事もはかどります。

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# by slowlide850 | 2018-05-12 14:59 | architecture | Comments(0)

懐かしさ

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設計ではちょっと懐かしい小物を使うことがあります。
昭和のトグルスイッチだったり、吹きガラスだったり。
自分でも古道具が好きなこともありますが、
私にとってはこうした小物たちは過去と未来をつなぐちょっとした「仕掛け」のようなもので、
楽しいものです。

ヨーロッパでは、街に古いものと新しいものが混在している。
歴史が途切れずに連続している状態はとても豊かなことでしょう。
日本でも、城下町などを散策しているととても落ち着いた気持ちになります。
古い町並みには情緒があり、どこにでもある「街」ではなく固有な顔を持っている。

ただ日本は地震国で、大半が木造住宅ですから築年数が増せば取り壊して新築するのはある面では致し方ない。
そうすると、どんどん「新しさ」ばかりが蔓延し続ける。

設計する住宅では、よく「新築だけど新築っぽくないですね」と言われます。
古民家風などという意味ではありませんし、アンティーク風とも違います。
エイジング塗装や古材といった安直なものは使わずに、「懐かしさ」みたいなものがあれば、
それは、実は新しいことだとも思います。







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# by slowlide850 | 2018-05-08 18:53 | architecture

玄関扉を考える

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                                                      photo 西川公朗

『玄関扉を開けた瞬間に道を歩いていた他人と目が合って、なんだかちょっと気まずい気分になる・・・』

まだ素のままの無防備な状態で、社会的な自分に切り替わってもいないのでちょっとドキッとしてしまう。
小心者のせいか私にはよくある・・・。

扉を挟んでプライバシーの境が生まれる玄関扉は、設計者の気の使い方が出ると思っています。
上の写真では左手がすぐ道路ですが、囲いを設けてちょっと露地状にして玄関を奥に設けています。
ポストもインターホンも、この露地状部分の手前にあるので家族以外は入ってこないようになっています。
庇も大きく設けているので、雨の日に傘をたたむ時にも、子供たちの帰宅時に雨がっぱを脱がせるにも便利です。

何より、このわずかな露地状の空間の中で「素の自分から社会的な自分」またその反対という
人の小さな心理的な移り変わりに一役買える空間となっていることが大きいです。
人の気持ちの変化を空間によって、違和感なくグラデーションのようにつなぐことができるのは、
まさに建築の醍醐味だと思っています。

もう一つ。玄関扉の他に通風用の網戸も仕込んであるので、その防犯も考慮して露地状空間を設けました。
玄関扉を引き込んで網戸にしても、家の中を人に見られる心配がありません。
マンションに住んでいる方ならば経験があるでしょう。
玄関扉を開け放つと風がとてもよく抜けますが、この家はまさに風の通り道があるわけです。

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                                  photo 西川公朗

          ↑ 写真は玄関扉を引き込んで網戸にした状態。正面には板塀の露地状空間。

もちろん、制約があって露地状空間を作れない場合は、せめて道路に対して角度をつけて相対さないようにする。
玄関扉をあけても家の中が丸見えにならないように工夫するなど、制約の中でできることをしています。

しかし、この網戸のある玄関はいいものです。風の行き止まりがないというか、潔さみたいなものがあります。
今後も機会があれば作っていきたい設えです。

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# by slowlide850 | 2018-03-09 20:13 | architecture | Comments(0)

お茶とお菓子 横尾

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吉祥寺にあった『お茶とお菓子 横尾』のファンでした。
美味しい食事やお菓子も好きでしたし、横尾の内装には他にないものがあって好きでした。

恵比寿の隠れ家のようなマンションに当時はひっそりとあった『タミゼ』が内装を手掛けたと聞いて、
どんなんだろう?と開店まもなくの頃に訪れたのを覚えています。
初めて訪れた時の感想は「ちょっと退廃的でなぜかバウハウスを思い出す内装」といった印象でとても新鮮でした。

良くも悪くも建築家というものは、きちっと空間をつくってしまう性があります。
これは、建物の構造という秩序が支配するようなところから空間を考えていくからだと思っていますが、
横尾のような雰囲気はなかなか建築家には作りだしにくい。
かと言って素人が手掛けた内装というのは、よほどセンスでもない限り、プロの身からすると・・・。
昔の数寄屋建築は、建築家ではない数寄者がそのセンスを競うように普請していたわけですが、
横尾に建築家にはない、そうしたセオリーを無視した笑、自由さみたいなものを見たような気がして面白かった。

その横尾が復活したと聞きました。すでに混雑しているというからさすがです。
今度は、同じ吉祥寺ですがもう少し駅からは離れるようです。
写真の冊子は、11年間の思い出にと作られた関係者向けのものです。
妻が短期間ですがスタッフとして働いていたことから頂いたものです。
この冊子がまた「横尾」的で素敵です。

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# by slowlide850 | 2018-03-06 17:51 | cafe | Comments(0)