akimichi design nikki

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昔の人は背が低かった展

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森美術館で行われている「建築の日本展・その遺伝子のもたらすもの」を観に行く。

しかし暑い。今日は地底人になりたいとばかり、地下鉄と地下道を駆使して向かう。
地下道のありがたみってこんなに感じたことはなかったんじゃないか。と思う。
近い将来、本気で都心部が地下道主体になる気がしてくる。
そして、この暑さでオリンピックをやるというのは、ちょっともう意味がわからなくなってきている。
選手もボランティアも、平和の祭典という名の生死をかけたリアルサバイバルということでいいのだろうか。
とりあえず各国の選手には下見がてら、この暑さを一度体感してもらったほうがいいんじゃないかと思う。
みんな不参加になったりして・・・

さて、最近の大型の建築展というと、有名建築物の原寸モデル展示が流行りです。
今展示には茶室「待庵」があり、さらに中にも入れます。本物は国宝で中には入れません。これは嬉しい。
建築物のスケールは体感するものです。
いくら本を読んでも図面を読み込んでも、それは知識にすぎない。

3人一組で中へ入るのでカップルで来ていた方と入ったのですが、そのあまりの天井の低さに
女性が「昔の人は身長が低かったのかな?」と言ったのが面白かった。
利休の身長は180cmと言われていますから、もちろん「意図」して天井を低くし、わずか2畳という空間を造った。

どうも建築展というのは、こうした疑問に答える術を持っていない。
建築論的な説明書きはあっても、人が体感した際の純粋に感じる疑問が、まさに「意図」に直結している
という大事な状況を拾いきれない。

もしかしたら音声ガイドを使っていればはフォローしているのかもしれないけれど、
その女性は「昔の人は背が低かった」ということで待庵という茶室を理解してしまうかもしれない。
かといって、いきなりガイドでもない赤の他人の私が呼び止めて説明するのは、立派に不審者レベル。。。
建築好きとしては、なんだか勿体ないなっと思ってしまった今日の出来事。












by slowlide850 | 2018-07-20 23:07 | architecture | Comments(0)

設計事務所のお仕事

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新築・改装工事の見積もり期間は大抵3週間で工務店さんに依頼しています。
この期間というのは、いつも予算から大幅にオーバーしませんようにとドキドキします。
「プロなんだから、決まった予算にビシッと一発で合わせこむのが仕事だろう」という声が聞こえてきそうです。
その通りです。耳が痛いところです。

しかし、なかなか一発では難しい状況がそこにはあります。
住宅の工事で同じ図面を用いて見積りを行う場合でも、3社に相見積もりをとれば金額の高低差は
300万円~400万円はざらに異なるものです。
工事に対する人件費の割合はとても大きいもので、同じ内容工事でもA工務店は10人工、かたやB工務店は20人工と
見方が異なるだけでも、各工事を合計すれば大きな差が生まれます。

工務店さんによっては自社の営業・宣伝費なども経費や見積もりの中に入ってきたりするので、
工事費を予算通りに合わせこむというのは、図面内容以外に存在してしまう不確定な要因にも左右されてしまう。
とても難しい作業とも言えます。

とはいえ当然、予算に向けての減額作業がとても大切になります。
出てきた見積もりに対しては、見積査定書を作成して工事単価・数量・内容に至るすべての項目を査定しています。
この査定は、事務所の仕事の中でもとても重要なものです。
減額要素だけでなく、時に増額となる部分も指摘します。公平にかつ工事として適正な金額を算出をしているのは
きれいごとではなく、お施主さん・工務店・設計者の三者の信頼関係を築きたいからです。
この三者のしっかりとした関係なしに、何千万もする工事なんてとてもじゃないけれど怖くてできません。

今回もこうした減額作業を経て「二人舎」も再来週には着工の運びとなりました。
年内には竣工します。また工事中の様子もこのブログにあげますのでご覧ください。







by slowlide850 | 2018-07-11 19:38 | architecture | Comments(0)

洗面所

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こうして光の入る、スッキリとした洗面所は気持ちがいいです。

ただこの洗面所、実は壁と壁との幅は1.3Mほどしかないので寸法上は狭いんです。
そこで、浴室の扉を換気もかねて開け放つことで、
目線高さに設けた浴室窓から庭へと視線が抜けるようにしていたり、
横長のハイサイドの窓からは、借景の森が見えることでそこにある空間よりも広く感じる仕掛けを施してあります。
また洗濯機や棚板もわずかに壁をへこませて納めることで、少しでも有効寸法を生み出すような
小さな工夫を積み重ねてあります。

設計者にとって現実の寸法から、空間の広がりをどれだけ作りだせるのか。
だまし絵ではないですが、人がその空間をどう感じるかを想像して、
現実の寸法からどれだけ飛躍することができるのか、挑戦心をかきたてられます。



by slowlide850 | 2018-07-05 16:19 | architecture | Comments(0)