akimichi design nikki

二人舎 改装編 その壱

b0131531_18280699.jpg
画像:二人舎 解体前の室内


「新築模索編」のつづき
新築計画がかなわないことがわかり、頭を切り替えて改装計画を練り上げることとなりました。

<改装の方法>
マンションの水廻りのリノベーション程度ならともかく、
戸建ての改装というのは資金をどう捻出するかが一つの問題です。
というのも、構造体を残して外壁・内壁や屋根、設備全般を解体し新たに作り直すには新築並みの工事費が必要です。
ただそのためのローン商品は新築の住宅ローン商品に比べて少なく、金利も高めで融資の上限金も低い。
勤め先の融資制度や手持ち資金の割合など資金面から計画を考える必要がでてきます。

今回の改装では借地という特性上、融資を受けにくく金利も高い。
またお施主さんの融資は受けずにという方針から、基礎や外壁、屋根といった外装の工事を
将来的な工事にすることを決めて、予算内でまずは内装の工事を行うことを決めました。

・一期工事: 室内の改装・構造補強・断熱改修
・二期工事: 基礎の耐震補強工事
・三期工事: 外装・屋根の補修工事

工事を分けることでローンを組まずに建物に手を加えていきます。
もちろん、第三期までの工事費は今回算出してお施主さんにはご提示し、将来的に必要な予算がわかるようにしました。

<大まかな考え>
新築と改装計画で一番ちがうのは、『時間』の扱い方だと思います。
新築ならば、まっさらな白紙の時間をイメージしますが、改装はその建物が経てきた様々な時間がすでにある。
生まれ育った空間で愛着ある時間があるならば継続的に扱いたいし、そうでないなら新たな時間軸を
設定するようなプランの方がよいのか。まずは、そんなことから思い描いてみます。

計画建物に隣接してお施主さんが育った母屋がありますが、計画建物は元賃貸利用されていて、
さほど密接な関係はなかったそうです。その文脈を考えると、ご夫婦のための新しい時間軸となるように
既存のイメージから離れるような計画を考える方がよいだろうと改装案を練り上げていきました。

<耐震化>
改装でやっかいなのは耐震化です。ここをどうするか。どう考えるか。
設計者としても工事費とのバランス。その場合の安全性の説明など難しい分野です。
二人舎では、外壁を壊さないため室内側からの構造用合板による補強計画をたてました。
窓の多い1階は構造上必要な個所は、窓をつぶしての補強を行います。

さらにプラン上も安全策をとりました。長く居る場所である、寝室とリビングを2階にしました。
これは、強引に駐車場の上屋を支えている鉄骨フレームへの対策です。
鉄骨フレーム自体も補強をしますが、万がいち、1階が倒壊しても2階にいれば助かる確率が上がるという考えです。
技術的な補強とプラン上の安全策という2段構えで耐震化を考えました。

でも、食事中に地震がおきたら・・・それは言いっこなしです。。。
設計者として身もふたもない言い方かもしれませんが、地震に対して古い建物への完全な備えというのは難しい。
目の前にあるできることをしっかりとやる。お施主さんとそのことをちゃんと共有する。
そのあたりことがやはりとても大切だと思います。

さて具体的なプランについてはまた書きたいと思います。




by slowlide850 | 2018-09-24 19:08 | architecture | Comments(0)