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玄関扉を考える

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                                                      photo 西川公朗

『玄関扉を開けた瞬間に道を歩いていた他人と目が合って、なんだかちょっと気まずい気分になる・・・』

まだ素のままの無防備な状態で、社会的な自分に切り替わってもいないのでちょっとドキッとしてしまう。
小心者のせいか私にはよくある・・・。

扉を挟んでプライバシーの境が生まれる玄関扉は、設計者の気の使い方が出ると思っています。
上の写真では左手がすぐ道路ですが、囲いを設けてちょっと露地状にして玄関を奥に設けています。
ポストもインターホンも、この露地状部分の手前にあるので家族以外は入ってこないようになっています。
庇も大きく設けているので、雨の日に傘をたたむ時にも、子供たちの帰宅時に雨がっぱを脱がせるにも便利です。

何より、このわずかな露地状の空間の中で「素の自分から社会的な自分」またその反対という
人の小さな心理的な移り変わりに一役買える空間となっていることが大きいです。
人の気持ちの変化を空間によって、違和感なくグラデーションのようにつなぐことができるのは、
まさに建築の醍醐味だと思っています。

もう一つ。玄関扉の他に通風用の網戸も仕込んであるので、その防犯も考慮して露地状空間を設けました。
玄関扉を引き込んで網戸にしても、家の中を人に見られる心配がありません。
マンションに住んでいる方ならば経験があるでしょう。
玄関扉を開け放つと風がとてもよく抜けますが、この家はまさに風の通り道があるわけです。

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                                  photo 西川公朗

          ↑ 写真は玄関扉を引き込んで網戸にした状態。正面には板塀の露地状空間。

もちろん、制約があって露地状空間を作れない場合は、せめて道路に対して角度をつけて相対さないようにする。
玄関扉をあけても家の中が丸見えにならないように工夫するなど、制約の中でできることをしています。

しかし、この網戸のある玄関はいいものです。風の行き止まりがないというか、潔さみたいなものがあります。
今後も機会があれば作っていきたい設えです。

by slowlide850 | 2018-03-09 20:13 | architecture | Comments(0)