akimichi design nikki

夏季休業

b0131531_10400263.jpg
当事務所は8/13~16まで夏季休業となります。
どうぞよろしくお願い致します。

[PR]
# by slowlide850 | 2018-08-12 10:41 | architecture | Comments(0)

二人舎 現場編 

b0131531_14073098.jpg
お盆前に解体を終えた「二人舎」の現場監理へ。
現場まで自転車で行くも暑い・・・。滴り落ちる汗で図面がにじむ。手拭いを鉢巻きにして見て回ります。

室内側から構造合板をメインとした構造補強と断熱材充填を行うために、室内の壁はほぼ撤去しました。
賃貸利用で二戸に分かれていた間仕切り壁も撤去されて、2Fの空間が現れました。
長方形の平面に寄棟の屋根がかかる一体空間が気持ちいい。
東西の長手方向へ風が流れていくイメージも沸いてきて、設計時の脳内想像図と実体がどんどんくっついていく。
思っていた通り2Fの雰囲気が「潔く・シンプルで・わかりやすい」ものでよかったよかった。

外装下地の木摺りや、丸太梁、現在の基準からすると華奢な構造体も、築40年なりの雰囲気が出ていて、
これもとてもいい。「ん~よしよし思っていた通り」だと内心ほくそ笑んで一人ご満悦。

この改装計画では、今まで小屋裏に隠れていた丸太梁や架構を現しにして、舟底天井にします。
ただ、いわゆる古民家の改装のようなものにはしたくないので、私なりにひと工夫していきます。

しかし、改装工事では解体工事が終わると一安心ではあります。
「解体工事には魔物が住んでいる」とは勝手に私が思っていることで、解体してみたら漏水が何か所もあるとか、
あるべき箇所に基礎がないとか、土台が腐って使い物にならないとか。想定できないような「魔物」が現れたりします。
時に「魔物」は追加工事費につながったりして予算を圧迫しかねず厄介極まりない。

今回も実際は浴室廻りの土台が腐食していました。現調時に壊した箇所ではなかったので発見に至らず。。。
現場と協議して、設置を中止した金物費と相殺で土台入れ替えを行い、施主負担にはならずよかったのですが・・・

建築はたえず「想像と対処」の産物です。つまり「ワクワクとドキッ」を繰り返して作ってゆく感覚?でしょうか。

お盆休みが開けたら構造材の設置工事です。
暑い中を重い構造材の取付です。棟梁には頭が下がります。






[PR]
# by slowlide850 | 2018-08-11 16:11 | architecture | Comments(0)

二人舎 そのはじまり編

b0131531_18321495.jpg

お施主さんにご了解を頂き、このブログ上でここまでの「二人舎」について書かせて頂こうと思います。
この計画はつい先日着工しましたが、改装計画から一度は新築建替え計画を模索して、また改装計画に戻るという。
色々なことを考えて現実の問題に対処しながら、着工にたどり着いた計画となりました。
なかなかその過程の面白さや大変さが興味深いこともあり書いてみたいなと思っています。

<二人舎計画概要>
杉並区の住宅地にある築40年・木造2階建ての元賃貸物件を住宅へ改装する計画です。
一見すると普通の住宅ですが、建物を道路側と奥でちょうど半分に分けた二戸の賃貸物件として長く使われていました。
それぞれに玄関・階段があり1階に水廻りとダイニング、2階に和室がある長屋物件で、延べ面積は21坪。
この建物をご主人(40代)奥さん(30代)のご夫婦2人住いに改装するというものです。
画像の右手にあるのは母屋で、お施主さんが育った家です。
なので、この母屋と計画建物が一つの敷地に並んで建っているという立地になります。

<ご相談>
二戸ともに空いたのを機に、ご夫婦は道路側の部屋で暮らしはじめたものの、
二戸に隔てている間仕切り壁を壊して広く暮らしたい。
さらに、築40年の浴室はまさに極寒・・・バランス釜なので浴槽も狭く脱衣場もないのでとても不便。
急な階段のせいで奥さんがケガをしてしまったなどなど。。。
そんな状況から改装したい。ということでご相談を受けたのは17年の春。
着工まで1年4か月の時間がかかりました。

後になり実際解体してみると、断熱材なんてものはほぼない・・・。
密集地ですから陽当りも良好とはいえず、お聞きしているだけでも冬の寒い日常生活が伝わってくる。
とくに浴室には床にスポンジマットを敷いたり、壁にビニールを張って保温を図ってみたり、
と工夫をしている様子は住宅設計者としては、「何とかしなくては!」という思いにかられます。

そして、ご相談を頂いた時期はちょうど「にびいろの舎」の竣工時期だったので、
そちらを内見してもらい、設計のテイストなども見てもらったうえで計画を進めることになりました。

<調査>
ほどなくして建物の調査を行ったのですが、当初から懸念していた「耐震」が問題になります。
築40年となると旧耐震制度下で建てられたもので、阪神や熊本などの地震でもとても倒壊の多い時期の建物です。
その上、この建物は駐車スペースに柱や壁を設けることができなかったため、鉄骨フレームで
強引に上屋を支えるという問題個所(下画像)や極端な構造上の耐力壁不足(1階に窓がとても多い)
など構造上の脆弱さが見えてきました。

外見だけでは心配なので工務店の監督さん・大工さんにも来てもらって、一部床や壁を壊して
基礎や柱、床下、小屋裏なども確認。
こちらは腐食などもなく問題ありませんが、基礎は経年の劣化があり安心はできない状況でした。
b0131531_10350153.jpg
お施主さんから耐震化の要望はありませんでしたが、安全性の状況はもちろん報告しますし、
当然専門家としての助言も行います。
そして熟考の結果、おそらく驚かれるだろうけれども、設計者としては建替えた方がいいと
お施主さんに進言することにしました。
この建物がお施主さんにとって、ことさらに愛着・想い入れのあるものでしたら私も判断に迷いますが、
元は賃貸物件で自らが住んだのは最近です。向き合って話していれば想い入れの度合いは自然とわかります。
耐震補強のコストを考えれば新築した方がいいというのが、この時の私の考えでした。

新築模索編につづきます。がまだ書いていません・・・






[PR]
# by slowlide850 | 2018-08-03 10:32 | architecture | Comments(0)

昔の人は背が低かった展

b0131531_21030555.jpg
森美術館で行われている「建築の日本展・その遺伝子のもたらすもの」を観に行く。

しかし暑い。今日は地底人になりたいとばかり、地下鉄と地下道を駆使して向かう。
地下道のありがたみってこんなに感じたことはなかったんじゃないか。と思う。
近い将来、本気で都心部が地下道主体になる気がしてくる。
そして、この暑さでオリンピックをやるというのは、ちょっともう意味がわからなくなってきている。
選手もボランティアも、平和の祭典という名の生死をかけたリアルサバイバルということでいいのだろうか。
とりあえず各国の選手には下見がてら、この暑さを一度体感してもらったほうがいいんじゃないかと思う。
みんな不参加になったりして・・・

さて、最近の大型の建築展というと、有名建築物の原寸モデル展示が流行りです。
今展示には茶室「待庵」があり、さらに中にも入れます。本物は国宝で中には入れません。これは嬉しい。
建築物のスケールは体感するものです。
いくら本を読んでも図面を読み込んでも、それは知識にすぎない。

3人一組で中へ入るのでカップルで来ていた方と入ったのですが、そのあまりの天井の低さに
女性が「昔の人は身長が低かったのかな?」と言ったのが面白かった。
利休の身長は180cmと言われていますから、もちろん「意図」して天井を低くし、わずか2畳という空間を造った。

どうも建築展というのは、こうした疑問に答える術を持っていない。
建築論的な説明書きはあっても、人が体感した際の純粋に感じる疑問が、まさに「意図」に直結している
という大事な状況を拾いきれない。

もしかしたら音声ガイドを使っていればはフォローしているのかもしれないけれど、
その女性は「昔の人は背が低かった」ということで待庵という茶室を理解してしまうかもしれない。
かといって、いきなりガイドでもない赤の他人の私が呼び止めて説明するのは、立派に不審者レベル。。。
建築好きとしては、なんだか勿体ないなっと思ってしまった今日の出来事。












[PR]
# by slowlide850 | 2018-07-20 23:07 | architecture | Comments(0)

設計事務所のお仕事

b0131531_18162680.jpg
新築・改装工事の見積もり期間は大抵3週間で工務店さんに依頼しています。
この期間というのは、いつも予算から大幅にオーバーしませんようにとドキドキします。
「プロなんだから、決まった予算にビシッと一発で合わせこむのが仕事だろう」という声が聞こえてきそうです。
その通りです。耳が痛いところです。

しかし、なかなか一発では難しい状況がそこにはあります。
住宅の工事で同じ図面を用いて見積りを行う場合でも、3社に相見積もりをとれば金額の高低差は
300万円~400万円はざらに異なるものです。
工事に対する人件費の割合はとても大きいもので、同じ内容工事でもA工務店は10人工、かたやB工務店は20人工と
見方が異なるだけでも、各工事を合計すれば大きな差が生まれます。

工務店さんによっては自社の営業・宣伝費なども経費や見積もりの中に入ってきたりするので、
工事費を予算通りに合わせこむというのは、図面内容以外に存在してしまう不確定な要因にも左右されてしまう。
とても難しい作業とも言えます。

とはいえ当然、予算に向けての減額作業がとても大切になります。
出てきた見積もりに対しては、見積査定書を作成して工事単価・数量・内容に至るすべての項目を査定しています。
この査定は、事務所の仕事の中でもとても重要なものです。
減額要素だけでなく、時に増額となる部分も指摘します。公平にかつ工事として適正な金額を算出をしているのは
きれいごとではなく、お施主さん・工務店・設計者の三者の信頼関係を築きたいからです。
この三者のしっかりとした関係なしに、何千万もする工事なんてとてもじゃないけれど怖くてできません。

今回もこうした減額作業を経て「二人舎」も再来週には着工の運びとなりました。
年内には竣工します。また工事中の様子もこのブログにあげますのでご覧ください。







[PR]
# by slowlide850 | 2018-07-11 19:38 | architecture | Comments(0)

洗面所

b0131531_15393274.jpg
こうして光の入る、スッキリとした洗面所は気持ちがいいです。

ただこの洗面所、実は壁と壁との幅は1.3Mほどしかないので寸法上は狭いんです。
そこで、浴室の扉を換気もかねて開け放つことで、
目線高さに設けた浴室窓から庭へと視線が抜けるようにしていたり、
横長のハイサイドの窓からは、借景の森が見えることでそこにある空間よりも広く感じる仕掛けを施してあります。
また洗濯機や棚板もわずかに壁をへこませて納めることで、少しでも有効寸法を生み出すような
小さな工夫を積み重ねてあります。

設計者にとって現実の寸法から、空間の広がりをどれだけ作りだせるのか。
だまし絵ではないですが、人がその空間をどう感じるかを想像して、
現実の寸法からどれだけ飛躍することができるのか、挑戦心をかきたてられます。



[PR]
# by slowlide850 | 2018-07-05 16:19 | architecture | Comments(0)

灯台の白とモダニズムの白

b0131531_21260405.jpg
ぼーっとするのに海ほどいいものはないでしょう。
たまに海にくると、ひたすらにぼーっと地平線を見ながら風に吹かれてしまう。
そして私にとって、灯台といえば幼いころによく来た犬吠埼。

灯台の「白」は海と空の青に映える。もともと風景に溶け込まずに目立つように「白」なのだと
聞いたことがあります。それ以来、建築でいうモダニズムの「白」もいろいろと言われるけれど、
本当は目立つようにという建築家の自意識の色ではないかと思ってしまいます。
そんなことを意識してしまい、今まで外壁を白く塗ったことがないですが、
それはそれで誰にも伝わらない勝手な自意識過剰だとは思っています(笑)

[PR]
# by slowlide850 | 2018-06-22 21:54 | architecture | Comments(0)

伊能忠敬

b0131531_18242681.jpg
先月ですが千葉県の佐原市へ行ってきました。
以前から水郷の街として栄えた古い町並みの残るこの場所に行って見たかったのですが、
来訪の一番の目的は、伊能忠敬旧宅と記念館を訪れることでした。

伊能忠敬の娘に琴さんという方がいたのですが、この方が私の高祖母にあたる方で、
忠敬さんから私は6代目の子孫ということになります。
b0131531_18241566.jpg
若い頃は自分のご先祖様にあまり興味なんてありませんでしたが、
年を重ねると不思議なもので、そうした人がいて自分がいるという当たり前の感謝と、
自分が何者かということを考える上でも大切なことだと思うようになりました。
今まで後回しにしていた感のあった佐原に、この日ようやくと訪れることができました。


この辺りは「うなぎ」が名産なのでうなぎを食べてから、
のんびりと先祖のいた町を散策しながら旧宅・記念館を見て廻りました。
測量と建築。少しだけ先祖と自分を重ねる普段にはない時間を過ごしてみると、
なぜかとても胸がスッとして気持ちがいい。

「住宅」という、人や家族の「居場所」を作るというのが私の仕事なわけですが、
ご先祖を考えるというのは、歴史文脈から自らの「居場所」を確認するような作業です。
日常とは違う歴史という時間に身を置くとなんだかあったかい気持ちになれることに
気づかされるいい小旅行でした。




[PR]
# by slowlide850 | 2018-06-20 19:28 | life | Comments(0)

ブルーノ・マットソン

b0131531_17531167.jpg
にびいろの舎の一年点検に伺いました。
リビングにブルーノ・マットソンのイージーチェアが置いてありました。
日本人の体形にあわせて、小ぶりにデザインされていて座り心地がよく、私も好きな椅子です。
リビングのスケールにも、この椅子がよく合っていて素敵です。
ダイニングテーブルの上にあるトップライトで、空間の光もほどよく入っていて落ち着きます。

こうして、たまに伺って生活の雰囲気や暮らしやすさなどをお聞きするのはとても楽しいです。
もちろん、その話のすべては経験となってこれからの設計に生かしてゆきます。

庭の木々もこの一年で成長して根を張ってきていて、家自体がこの土地に根付き始めたような
感覚があって嬉しくなります。












[PR]
# by slowlide850 | 2018-06-19 18:40 | architecture | Comments(0)

図渡し

b0131531_19085462.jpg
設計事務所から工務店さんへの見積もり発注・依頼を「図渡し」といいます。
事務的な「見積もり発注」という響きよりもこの「図渡し」の方が私にはしっくりきます。

先日『二人舎』の図渡しをしました。
依頼先は独立以来のお付き合いである遠山工務店さんです。
もう何度も見積もり頂いていますが、予算内に収まるか否かは毎回ドキドキするものです。
これまでの経験値や同規模の過去の案件を下敷きに設計内容・予算配分を考えるわけですが、
まったく同じという計画は絶対にありえませんから、見積もり結果がでるまではどこか落ち着かない日々が続きます。

さて、この二人舎の面白い点は、将来的に外観の改修を考えているので、
今回の工事では外観は変わらずに中身だけが変わるということです。

きっと、工事がはじまったら近所の人は不思議なはずです。
築40年の経年が見て取れる外観でありながら、
『ずいぶんと工事しているけど外観は変わらないし、いったい何をしているのだろう?』と。

工事が終わっても、そこにある家は外観は何も変わっていない。。。
近所の方々をちょっと煙に巻くような、小さないたずら心が芽生えてきそうです。






[PR]
# by slowlide850 | 2018-06-15 21:58 | architecture | Comments(0)