akimichi design nikki

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埼玉県立歴史と民俗の博物館

とあるオープンハウスから足を延ばして、埼玉県立歴史と民俗の博物館へ。

京都会館以来久しぶりの前川國男さん。
ちょうど前川さんの本を読んでいるところで素晴らしいタイミング。
「建物の臍」に入り口があるので、雁行すように並ぶ建物を縫ってアプローチがつづく。
ケヤキ好きの前川さんらしく大木が茂っていました。

曇り空のせいか館内は薄暗く、打ち込みタイルの外壁、コンクリート打ち放しの天井や、
スチールサッシに、スチールの手すりで、全体に「重い」建築。
でも、この質量感がたまりません。

前川さんの建築は特に平面計画が好きです。
歩くことに、景色がながれることに自覚的な建築という印象です。
とても人間的な建築だと思っています。
よい時間を過ごしました。

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by slowlide850 | 2015-06-29 14:49 | architecture | Comments(0)

天井材

湯河原の宿改装は、大きな改装となる最後の二室を
同時に工事していています。

この二室は壁を隔てて隣り合わせのため、音の問題があり
まず間仕切り壁の遮音化し、天井材の交換、広縁の開口を掃出し窓へと改装します。
腐食の激しい一室の浴室は、仕上げをタイルに変更します。
この工事をもって宿の改装は一段落がつき、残す部屋は補修程度の内容になります。

週末には予約が入っているので、急ピッチで棟梁には作業にあたって頂いています。
おかげさまでこの日は、先日新木場で選定した天井材が張りあがりました。
できるだけ、空間の重心をさげる意味と、いささか安普請だった旧天井から
落ち着いた風情になりそうです。
掃出し窓と相まって、しっとりとした空間に生まれ変わることになるでしょう。

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by slowlide850 | 2015-06-24 10:14 | architecture | Comments(0)

事務所 便り

フィンランドに住む従姉が来日して家族で会った。
毎回、フィンランドでの生活のあれこれやら、息子さんがいるので
学校だったり、フィンランドの教育への考えなど聞くことができて楽しい時間です。

私の前職事務所の所長は、フィンランドに短期留学していましたし、
そもそも、その事務所への入所のきっかけは現在吉祥寺に居をかまえる
北欧cafe moiとその店主との出会いなので、
フィンランドに行ったことはないもののなにかと縁があります。

だからといって、前職事務所の作風はフィンランド風でも北欧風でもないし、
私の作風も北欧風ではないので、建築に直接の影響は受けてはいないです。
そもそも、なになに風という言葉こそ恥ずかしいものはないわけですが・・・

話がそれました。
いわゆるフィンランドのイメージとは別に、生活している従姉の実際の話というのはすごく面白いです。
たとえば、フィンランドではサマーハウスという夏の間に使う別荘がありますが、
どれも、インフラ整備されている訳ではなく電気なし、水道なし、もちろんガスなし。
というキャンプ!?のようなものもあれば、当然豪邸もある。
水辺だから当然蚊もたくさんいる。

DIYが好きな人は、サマーハウスは自分で建てる。
そのキットが売っているそうですし、むこうのホームセンターには家一軒建てる
資材が普通に売っているようです。

もちろん、フィンランドもいろいろな問題を抱えてもいますが、
生活ぶりを聞いていると、せせこましさがなく豊かで地に足がついてる感があります。

従姉の自宅バルコニーからの眺めも素晴らしいです。
目の前が湖です。

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by slowlide850 | 2015-06-23 10:59 | life | Comments(0)

老欅荘 松下亭

湯河原の現場へ向かう途中、松永記念館と老欅荘(ろうきょそう)に寄り道。

かなりの渋好みな建築見学でしょう。
建築学科の学生さんはまず来ないでしょう。。。

あまり情報もなくどんなものかと期待はせずに行ったのですが、
老欅荘、とくに茶室松下亭(しょうかてい)がとてもよかった。
茶室ではあるものの、とても近代的でむしろ居間のよう。
肘掛窓がそうさせるのでしょうけれど、
各部の高さも低く抑えられて、茶室ではあまり感じたことのない
横に広がるスケール感が居心地をよくしてくれます。
全体に簡素であるところも肩肘張らない空間でした。

時代の先端の建築も、もちろん大好きですが、
古きを温ねて新しきを知るのも楽しいことです。
とくに住宅の設計では、こうした建築から多くを学べます。

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by slowlide850 | 2015-06-20 17:27 | architecture | Comments(0)

工事中の光

コンクリート躯体に囲われた宿の浴室。その仕上げ解体後の風景。
常時湯船から上がる湿気が逃げず、
既存の縁甲板張りは張リ直したそばから腐食するような状況でした。
宿のご主人よりタイル張りに改装したいとの要望で工事にかかっています。

以前も書きましたが、時に工事中の光にはっとさせられます。
仕上げていない躯体がもつ力強さは自然光と相性がいいのでしょう。
仕上げを施し整えられた空間とは、また違う魅力を感じます。

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by slowlide850 | 2015-06-15 11:13 | architecture | Comments(0)

梅雨のひととき

いよいよ東京も梅雨入り。
自宅の裏手が森のせいか、事務所の湿度計も75%を指している。
印刷する紙もヘナヘナとして、インクジェットが滲みそうだ。。。

ただ2階+ロフトは吹き抜けを介して一体なので窓を開け放つと、微風でもうまく風が抜ける。
吹き抜け高さも一層分あるので重力換気もできているかもしれない。
吹き抜けのメリットの一つである。

梅雨のわずかな晴れ間に家中の窓を開け放つ。
流れる風は家が呼吸しているような感覚になってじつに気分がいい。

設計中の住宅は、吹き抜けこそないけれど、
いかに風の流れを作るか、クライアントの要望でもあり熟考している。
「光をいれまたふさぎ、風をいれまたふさぎ、視線を導きまたさえぎり」
とはルイスカーンの言葉。当たり前にして深いテーマです。
印象的な窓を作るべく、図面と格闘しています。

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by slowlide850 | 2015-06-10 11:51 | life | Comments(0)

納まりマニア 

湯河原の改装現場で、表具屋さんと納まりについて打合せしている折に、
年配の表具屋さんが「では、風返しでいきますか?」とおっしゃる。

恥ずかしながら知らない納まりだったので、教えてくださいと申し出ると丁寧に教えてくれた。
フスマなどの召し合せで、できるだけ通気をさえぎりホコリが入らないようにと
する納まりのことだそうである。
名前は知らなかったが、過去に外部建具でスケッチしたことのあるものだった。
ずいぶんと粋なネーミングの納まりなんだなと面白くなり、実用もかねて、
申し出通りに風返しにて制作を依頼した。

そして出来上がったのは、この写真である。
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一般の方には何のこと?ですね

部分的に戸厚が違うのです。
仕組み自体は難しいことではありませんが、制作に少々手がかかります。
しかし、この納まりで実にピシッと仕上がるから納まりは面白いのです。

時に納まりは、料理でいう隠し味のようです。
建築にも、そうした味わいが潜んでいるわけです。
by slowlide850 | 2015-06-08 15:19 | architecture | Comments(0)